- 後遺障害等級認定を申請してから認定されるまではどのような流れで、どのくらいの時間がかかるのか?
- 被害者請求と事前認定で手続きの流れは何か変わるのか?
- そもそも誰が後遺障害等級認定を行うのか?
後遺障害の手続きについては、なかなか全体が分かりにくいとか、手続き間の違いが把握しにくい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
後遺障害等級認定の手続きをすることになったとき、押さえておきたい手続きの流れなどについてご説明します。
後遺障害等級認定の手続きの流れ
まず後遺障害等級認定の手続きの流れですが、全体的には下図のように進めていくことになります。
被害者請求か事前認定かによって【請求者】と【書類の提出先】は異なりますが、どちらの手続きでも後遺障害に該当するか否かを判断するのは、基本的には損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)という機関です。
結果が出るまでの期間
後遺障害の内容などにもよりますが、申請してから結果が出るまでは、大体1~2か月程度かかります。
また、申請してから認定結果が出るまでの間に自賠責損害調査事務所から新たな資料(レントゲンやMRI画像など)を取り付ける要請がなされる場合があります。事前認定の場合は相手方保険会社が対応してくれますが、被害者請求の場合は被害者側が自ら対応する必要があります。
手続きの流れの例外
※農協等は独自の審査で判断します。
※判断が困難な事案については、自賠責損害調査事務所の上部機関である地区本部・本部で審査が行われます。
※異議申立事案等の特定事案については、自賠責保険(共済)審査会で審査が行われます。
等級認定における被害者請求と事前認定の差
次に、後遺障害の等級認定における、被害者請求と事前認定の違いについて見ていきましょう。
提出する書類が同じなら結果は同じ
まず被害者請求ですが、これは被害者側が直接、後遺障害等級認定を行う申請方法です。
一方、事前認定とは、加害者側の任意保険会社に後遺障害等級認定を任せる申請方法です。
被害者請求 | 被害者側が直接、後遺障害等級認定を行う申請方法 |
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事前認定 | 加害者側の任意保険会社に後遺障害等級認定を任せる申請方法 |
被害者請求でも事前認定でも、どちらにしても調査を行って、判断を下すのは基本的には損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)です。
ですから、提出する書類・資料が同じであればどちらの手続きでも認定される結果は同じということになります。
被害者請求と事前認定の詳しい説明やメリット・デメリットについては、別の記事にもまとめていますので、よろしければご覧ください。
等級が認定された場合の自賠責限度額の支払のタイミング
事前認定で等級が認定された場合、損害保険料率算出機構の判断に基づいて、任意保険会社は損害賠償額の提示をしてきます。
このタイミングは任意保険会社が握っていますので、相手方保険会社からの提示に納得せず、示談に応じない場合には、自賠責部分も支払われません。
つまり、事前認定の場合、たとえ等級が認定されたとしても、自賠責部分をすぐに受け取ることはできないのです。
一方、被害者請求であれば、任意保険会社との示談に応じる前であっても、自賠責部分の支払いを受けることができます。
自賠責部分を先取りすることで、それを弁護士費用に充てるなど、保険会社との示談交渉に備えることができます。
後遺障害等級認定に詳しい専門家に相談を
上記の通り、出す書類・資料が同じであれば、結果は同じ。であれば、なおのこと、何を提出するかが重要なポイントとなります。
特に、むちうちなどの【目に見えにくい後遺症】の場合にはただ申請しただけでは適正な等級認定がなされないことも多く、注意が必要です。
ポイントを押さえた手続きを行なうためには、提出する書類や資料に過不足がないかなどをきちんと精査すべきですが、相手方任意保険会社が丁寧にそれをしてくれる可能性は、ほぼありません。
より納得できる、適正な認定を望むのなら、一度、後遺障害等級認定に詳しい専門家に相談されることをお勧めします。
交通事故後遺症の等級認定サポートの専門家
後遺障害等級認定の手続きは必要書類も多く、専門的な知識が必要となる場合もあり、被害者様ご自身がけがの治療や相手方との話し合いと並行して準備を進めるのは難しいかもしれません。
- 被害者請求と事前認定、どちらの手続きで進めたらいいか分からない
- どのような書類を揃えたらいいのか分からない
- 揃えた書類に不備がないか不安…
など、交通事故の後遺障害認定手続きに関してご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
当事務所は交通事故後遺症の後遺障害等級認定の申請も数多く扱っている法律事務所です。適正な等級が認定されるよう、手続きを全面的にサポートします。ご相談は無料です。