【相談事例】治療費を打ち切ると言われました。

相談者:40代男性 会社員

休みの日に車で移動中に、一時停止を無視した車と衝突し、腰椎捻挫と診断されました。

整形外科と整骨院の両方に通院し、治療していましたが、事故から半年ほど経過したところで保険会社の担当者から一方的に「これ以上治療費は払えない」と言われてしまいました。

また腰の痛みが残っているのですが、受け入れるしかないのでしょうか?

回答:弁護士

いったんご自身で治療費を立替払いして治療を継続し、後から請求する方法もあります。

また、もし症状が一進一退の状態で、大幅な改善が見込めない状態の場合には、症状固定として、後遺障害等級の認定を受けることにより、治療費とは別に後遺障害に対する賠償を請求することができる可能性があります。

治療費の一括払いとは?

治療費の【一括払い】というのは、加害者が加入している任意保険会社が治療費等を医療機関へ直接支払う対応のことを言います。

保険会社が一括払いを行うことにより、事故の当事者(加害者や被害者)が高額な治療費等を負担することなく治療を継続できるため、事故の当事者双方にとって意味のある制度と言えます。

一括払いは加害者側の対人賠償責任保険に組み込まれている示談代行サービスによるもので、治療費は医療機関に、その他通院交通費や休業損害などは被害者に直接支払われます。

自賠責保険と任意保険は下図のように二階建てになっており、任意保険会社は一括払い対応をして治療費等を支払った後、自賠責保険分を自賠責保険会社から回収(求償)する仕組みになっています。

傷害部分と後遺障害部分

さて、交通事故によって受傷し、一定期間治療をしても症状や障害が残ってしまった場合、損害賠償の請求はどのようになるのかというと、治療をしても治療の効果がこれ以上望めない状態を便宜的に【症状固定】と呼び、この症状固定を境に、傷害部分後遺障害部分に分けて、下図のように症状固定前の損害を【障害部分】、症状固定後の損害を【後遺障害部分】として請求することになります。

後遺障害部分の主な費目は次の通りです。

逸失利益 後遺障害を負ったことにより、労働能力が低下し、将来に渡って失う利益のこと
後遺障害慰謝料 後遺障害を負うことによる肉体的・精神的負担に対する慰謝料

症状固定とは?

症状固定についてもう少し詳しく説明します。
「症状固定」には、①医学的な意味と、②損害賠償上の意味の2つの意味があります。

① 医学的な意味の「症状固定」

治療を続けても大幅な改善が見込めなくなった状態を、医学的な意味の症状固定と言います。

たとえば、むちうちを例にしますと、病院で投薬やリハビリを受けると一時的には症状が少しよくなるけれど、少し経つとまた戻ってしまう…という、症状が一進一退を繰り返す状態のことです。

【図1】

② 損害賠償上の「症状固定」

医学的には大幅な改善が見込めないのであれば、長期間に渡って加害者側に治療費を負担させ続けるのは現実的ではありません。

損害賠償上の症状固定とは、症状が一進一退の状態になった時点で治療期間は終了とし、残存した後遺症については「後遺障害」として治療費とは別の損害賠償の対象とすることにより、後遺障害部分以外の損害賠償の問題をできるだけ早期に解決しましょうという、損害賠償上の都合による区切りのことです。

症状固定の時期はどのように決まるのか?

いつ症状固定にするかは、基本的には治療経過を見てきた医師が決定します。

医師が症状固定と診断した場合、「後遺障害診断書」という診断書が作成され、その後遺障害診断書に書かれた「症状固定日」という日付が、損害賠償上の意味の症状固定日になります。

医師から症状固定の診断を受ける前は「傷害部分」として、下図のように、治療費や休業損害、入通院慰謝料などが請求できますが、症状固定の診断がなされた後は、原則として、治療費や休業損害は認められません。

残った後遺症について、後遺障害等級の認定を受ければ、下図のように「後遺障害部分」として逸失利益や後遺障害慰謝料を請求することができます。

後遺障害と等級認定

症状固定の診断がなされたら全ての後遺症が「後遺障害」と認められるわけではありません。後遺障害と認められるためには、後遺障害等級の認定手続きを行う必要があります。

後遺障害等級の認定手続きを行い、残っている後遺症や障害について、後遺障害等級が認定されれば、これに対して慰謝料や逸失利益などを損害賠償として請求することができることになります。

後遺障害等級が適正に認定されないと、残っている後遺症や障害に対して適正な賠償を受けることができません。後遺症や障害が残っている場合、適正な賠償を受けるためには、後遺障害等級の認定が不可欠なのです。

後遺障害等級認定は弁護士に相談

被害者請求はご自身で行うこともできますが、

  • 資料を集めるのが難しい
  • 集めた書類に不備がないか不安
  • 自分で手続きをしようとしてもなかなかうまくいかない・・・
という声もよくうかがいます。

確かに、後遺症に悩まされながら、目に見えにくい後遺症を立証するための資料を集めたり、それに伴う煩雑な手続きを行うことは大変かもしれません。

そんなときは、すべてをご自身で手続きを進めるのではなく、弁護士等の専門家に相談してみるのも解決策として一つの手となります。

特に交通事故の後遺障害認定の申請においては、専門的な知識が必要になったり、症状と事故との因果関係の証明が難しかったりすることから、当事務所では日々、多くのご相談者様のお悩みに対処しております。

初回のご相談は無料となっておりますので、お困りの方は、一度当事務所までご相談ください。

         

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