後遺障害とは?症状固定とは?わかりにくい交通事故後遺症に関する用語をやさしく解説

交通事故でお怪我をされた場合、元通りに治ることが一番ですが、残念ながら後遺症が残ってしまう場合があります。

弊所でも、後遺症が残ってしまった交通事故被害者の方からのご相談を多く頂いております。
後遺症が残ってしまった場合、お怪我(傷害部分)の治療費等とは別に、後遺症(後遺障害部分)として慰謝料等が請求できる可能性があります。

後遺症とは?

後遺症とは、急性期症状(事故直後から一定期間の強い症状)が治ゆした後も、なお残ってしまった機能障害や神経症状などの症状や障害のことを言います。

後遺症と後遺障害の微妙な違い

では後遺症と後遺障害、どう違うのでしょうか?

後遺障害と後遺症は一般的にはほぼ同じ意味で使われていますが、実は「後遺症」と「後遺障害」には微妙かつ重要な違いがあります。

後遺症とは?

上記のとおり、急性期症状(事故直後から一定期間の強い症状)が治ゆした後も、残ってしまった機能障害や神経症状などの症状や障害のことを言います。

後遺障害 とは?

  1. 交通事故によって受傷した精神的・肉体的な傷害(ケガ)が、
  2. 将来においても回復の見込めない状態となり(症状固定)、
  3. 交通事故とその症状固定状態との間に相当因果関係(確かな関連性・整合性)が認められ、
  4. その存在が医学的に認められる(証明できる、説明できる)もので、
  5. 労働能力の喪失(低下)を伴うもので、
  6. その程度が自賠法施行令の等級に該当するもの

と定義されています。

交通事故により受傷し、一定の治療の末残ってしまった症状(=後遺症)のうち、上記の要件を満たしたものを【後遺障害】として等級認定し損害賠償請求の対象としています。

自賠責保険上の後遺障害等級に該当しなくても、裁判上は後遺障害として損害賠償請求が認められた例はあります。

後遺障害

損害賠償の実務上、症状固定を境に傷害部分後遺障害部分に分けて、下図のようにそれぞれ別々の損害として請求することになります。

後遺障害部分

後遺障害部分の費目は次の通りです。

逸失利益 後遺障害を負ったことにより、労働能力が低下し、将来に渡って失う利益のことです。
後遺障害慰謝料 後遺障害を負うことによる肉体的・精神的負担に対する慰謝料です。
等級認定されば、入通院慰謝料とは別に請求できます。
その他 将来実施することが確実な治療の費用は医師が必要性を認めていれば請求できます。
また、生活にかかる費用として、付添看護費、家屋等改造費、義肢等の装具費用等が請求できます。

等級認定された後遺障害のみが賠償の対象

自賠責保険においては、等級が認定された「後遺障害」のみが賠償の対象となり、いくら症状が残っても、等級認定されない限り、賠償の対象とはなりません(自賠責上の後遺障害等級認定が非該当でも、裁判で後遺障害としての賠償が認められた例はあります)。

後遺症が残っている場合、適正な賠償を受けるには適正な後遺障害等級認定が前提となります。

等級認定について詳しくは下記の記事をご参照ください。

では、事故で負ったケガ等のうち、どういったものが「後遺障害」として賠償の対象になるのでしょうか?

まず、交通事故による後遺症が残った場合に、ケガ(傷害部分)と後遺症(後遺障害部分)の線引きをする必要があります。

傷害部分と後遺障害部分の間に線引きするタイミングを「症状固定」といいます。

症状固定とは?

症状固定」とは、①医学的な意味と、②損害賠償上の意味の二側面から説明することができます。

①医学的な意味の「症状固定」

治療を続けても大幅な改善が見込めず、長いスパンでみると回復・憎悪がなくなった段階を、医学的な意味の「症状固定」と言います。むちうちの例ですと、病院で投薬やリハビリを受けると少しよくなるけれど、少し経つとまた戻りという症状が一進一退を繰り返す状態のことです。

【図1】

②損害賠償上の「症状固定」

医学的には大幅な改善が見込めないのであれば、いたずらにいつまでも治療費を加害者側に負担させるのではなく、治療期間は終了とし、残存した症状については「後遺障害」として損害賠償の対象とし、問題を早期に解決しましょうという、損害賠償上の都合によるしくみでもあります。

医師から症状固定の診断を受ける前は、「傷害部分」として、治療費や休業損害、入通院慰謝料などが請求できます。

【図2】

症状固定後は、等級認定を受ければ「後遺障害部分」として(上図参照)、逸失利益や後遺障害慰謝料を請求できます。

一方、「傷害部分」と同じように治療費や休業損害を請求することはできなくなります。つまり、症状固定とは、賠償上、「傷害部分」の終わりを意味しています。

誰が「症状固定」を決めるのか?

では、「症状固定」という重要なポイントを決めるのは誰なのでしょうか?保険会社が勝手に決めていいことなのでしょうか?

保険会社から「そろそろ症状固定してください」と言われ後遺障害診断書が送られてきたり、突然に「治療費を打ち切ります。」と言われるケースがよくあります。弊所でも相手方保険会社から突然に「来月から治療費は自己負担してください」「これ以上の治療は認められません」などと一方的に通知されるケースも少なくありません。

必ずしも「治療費一括払いの打ち切り」イコール「症状固定」とは限りません。一方的に相手方任意保険会社が決めるべきことではないのです。

本来は、医学的な意味での症状固定は医師が診断することであり、そのタイミングは被害者自身と症状経過を見てきた医師とが一緒に決めるべきことなのです。

症状固定のご相談なら

以上、交通事故で負った後遺症と、損害賠償の対象となる後遺障害の違いや、その考え方について解説いたしました。

弊所では以下のような症状固定に関連するご相談を多く頂いております。

  • 相手方保険会社から症状固定を勧められたらどうしたらいい?
  • 症状が残っているのに医師から症状固定と言われたらどうしたらいい?
  • 残った後遺症についてはどう相手方に請求したらいい?
  • 適正な等級認定を受けたいけど何から手をつけていいかわからない・・・

交通事故の後遺症のこと、症状固定のこと、後遺障害のこと、等級認定のことでご不明な点やご相談がございましたら、ぜひ無料相談をご利用ください。

         

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